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  「全国子ども家庭福祉会議」が、12月22〜23日の2日間に渡り、東京・白山にある東洋大学で開催された。同会議は、今年で児童福祉法が制定されて60周年を迎えた記念として行われた。

-- 午後1時30分より、井上円了ホールで、基調講演として、大正大学名誉教授の吉澤英子氏により、“児童福祉法60周年の意味を問う〜心にひびく60年であったか”というテーマで講演があった。児童保護法という児童を保護する対象と見る法律から、戦後児童福祉法という全ての児童に関する福祉を向上させる法律に変わったことはとても大きかったという。

-- 2時40分より、そうそうたる6名のパネリストと司会者 高橋重宏氏、山縣文治氏によるシンポジウムが開催され、全てが終了したあとに、「子どもの権利に関する宣言」と「大会決議」が満場一致で採択された。

  まず15分ずつのプレゼンテイションから始まった。
-- 内閣参事官・前児童虐待防止対策室長 伊原和人氏より、児童虐待防止法とその改正点の説明、政府の今後の方針の解説・報告があった。

-- 次に児童精神科医の奥山真紀子氏より、子どもの心について、精神科医からの観点で、医療,保健、福祉、教育の全てを統括するソーシャルワークが重要、というお話があった。
  直列時間(目的があってそれに向かって進む時間=仕事)と並列時間(宙に浮いているような流れるような時間=家庭)があって、近代化してくるうちに並列時間がなくなってきたという先生独特の解説が面白かった。

 
-- 白梅女子大学長 汐見稔幸氏からは、子育て支援という行政からNPOまでの幅広いサービスの最新例、両者の違い、特にNPOのきめ細やかさの指摘があり、今後への要望があった。

-- 児童養護施設旭児童ホーム園長 伊達直利氏からは、子ども達との現場からの切実な実状、日本という社会(国と国民)が社会的養護の子ども達を本当に視野に入れているのかという根本から考え直さないとならないのでは、という疑問が提示された。

-- 日本子ども環境学会会長の仙田満氏からは、子どもの劣化と遊びを奪われている子どもという強烈な指摘があった。その背景には自然との遊びを知らない大人たちができてしまっている。

-- 筑波大学の宮本信也氏からは小児科医としての観点から、発達障害という新しい概念の歴史と現状のお話があった。

15分の休憩後、各パネリストからの更なる提言がなされた。
-- 伊原氏からは消費税を上げられるなら、その1%である1兆円を児童福祉に活用できるという構想の提言があった。
-- 仙田氏は子ども省、子ども家庭省の創設を提言された。

-- また宮本信也氏からは、ある医師の「子どもを大切にしない国は、国として間接的に自殺している」という衝撃的な言葉の紹介があった。

  日本という社会は今でも個人としては子どもを大切にしていると思う。しかし国という単位となると、明治以来の富国強兵の遺産かは知らないが、子どもを一番に掲げていない。国の制度としての脆弱性が目立ち、未だに子どもは私有物の域を出ていないかのようである。(1了)
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レポート/里親子支援のアン基金プロジェクト事務局長 

坂本 和子 

   
 
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