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・・・続き4

 連邦政府は1986年に社会保障法を改正して、フォスターユースを支援するための予算、自立支援プログラム(ILP)を確立してから、予算の追加や改正を繰り返してきた。多くの州が、トランジショナル・ハウジングというプログラムをとおして、ユースの自立のためのアパートを提供するようになった。にもかかわらず、フォスターユースたちの実態を知らせる調査報告は、現在でもわれわれに深刻な問題を差し出している。

 ひとつの統計を例にとって見ても、ティーンの里子たちは17歳の時点で中学一年ぐらいの読解力しかない。3割以上が高校中退。定職があるのは4人にひとりだけ。女子のふたりにひとり、男子の4人にひとりが政府から給付金を受けている。そして1割以上がホームレス。2割が逮捕歴あり、という結果である。 

 親の保護が無く育ったフォスターユースたちは、すべての子どもたちの中でも最も脆い存在だ。だから里子たちを取り巻く状況は、一国の児童の健全さ、国が子どもたちに対してどの程度真剣なまなざしを注いでいるかを測定するバロメーターだ、と私は思う。
最近、「レジリエンス」という言葉を頻繁に聞くようになった。児童福祉の世界では、「子どもたちの困難を生き抜いていく力」というような意味で使われている。ロビー・ギリガンというカナダの児童福祉の学者は、フォスターユースたちのレジリエンスは5つの要因によって可能になるのではないか、と言っている。


o 自分が根をおろせる力強い場所や環境。
o ポジティブな学校での経験。
o 社会的なサポート。
o 「自分は何かできる」という自信。
o 「自分を支えてくれる人間がいつもいる」という実感。





   
 
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