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 アリゾナ州などではふるい分けた家族を再度訪問して、ケンプ・アセスメント方式で家族の保護要素と問題要素を評価して、最も支援を必要としている家族を選び、頻繁で長期にわたる支援の対象にしています。オレゴン州では、ケンプ・アセスメントは最初の支援訪問の時にして、これからの訪問の目標作りに使っています。
 HFAはどちらもOKとしています。ケンプ・アセスメントは10項目にわたっていて、まず赤ちゃんの親の子ども時代の経験、現在の生活様式、サポートの有無、小さい子を扱った経験の有無、ストレス源とその処理方法、怒りの管理の仕方、赤ちゃんの発達に対する期待や知識、赤ちゃんに対する想い、しつけに対する計画、愛着の絆の形成度などです。

 家庭訪問スタッフは就職直後に集中研修で家族の危険度を評価するアセスメントの使用法と、家族の強み(長所)に焦点を置く訪問の方法を学ぶこと。また各事業団体内で継続した研修をスタッフに提供しなければならない

重大原則第3:家庭訪問サービスは親の自由意志で行われこと。
自由意志だからとはいえ、すぐに諦めてはいけなくて、独創的なやり方で親に働きかけることを奨励しています。サービスを最も必要としている親は孤立していたり、自分の成育時に虐待を体験したりで、外部の人たちを中々信用しないので、オレゴン州では、家族支援ワーカーは3ヶ月までいろいろなやり方で親と接触をはかることを義務付けています。

重大原則第4:サービスは集中的に長期間行うこと。
これが家庭訪問事業の成功につながることが実証されています。オレゴン州では最低週一回6ヶ月まで訪問し、もし家族が望みまた必要だと判断されたら、子どもが5歳になるまで支援を継続できます。訪問の頻度は家族のニーズによって決定されます。
 
重大原則第5:サービスは利用者の文化に沿って行うこと。
人種や民族が多様なアメリカではこれが重大原則に入ることは理解できますが、日本でも大都市で育った訪問スタッフが農村地帯の家族と関わるときなど文化の相違を考慮に入れる必要があります。HFAは「文化」を広く定義して、地方の習慣、言語、地理的条件、宗教、教育や職業的背景などで子育て、健康、医療などに対する考え方や、家族の価値観が異なることを指摘しています。

重大原則第6:家庭訪問サービスの焦点を親(両親)、子ども、親と子の相互関係という3つのシステムに当てること。
親のニーズだけ、または子どもの発達だけに焦点を絞らず、親と子の相互関係の支援を忘れてはならないといっています。特に親の経済的、社会的、心理的ニーズに応えるために地域サービスとの協力の大切さを唱えています。


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