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重大原則第7:「強み」に焦点を当てた家庭訪問サービス行うこと。
訪問スタッフは家族の持つ「強み」「長所」に焦点をあて、「私が専門家」という態度でなく、家族とパートナーシップをくみ、家族の問題を「指摘」するのでなくて、家族の悩みに耳を傾け、家族のニーズに応え、「指導する」でなく、親の持っている技術に積み重ねを行うような訪問の仕方をします。ここで強調されるのは「並行過程」という原理で、親が子どもにして欲しい態度を、訪問スタッフが親に対してとり、スーバーヴァイザーが訪問スタッフにとり、州のスタッフが郡のプログラムのスタッフにとるのです。

重大原則第8:最小限度全利用者の家庭を医療サービスに連結すること。
国の健康保険システムのないアメリカでは、健康保険がないため医療サービスを利用できない家族が多いです。でもこのような家族は往々にして低所得のため、連邦政府と州のメディケイド保険や州特有の児童保険などの対象になるので、家族支援ワーカーはこのような保険に加入できるよう家族を指導することを仕事のひとつにしています。HFAは「健康の確保」を一番大切なニーズとして、家族が健康なら、他の生活上の問題解決がもっと容易になるといっています。

重大原則第9:訪問スタッフが家族の個別のニーズに充分応えられるように、担当件数(ケースロード)を制限すること。
HFAは一番頻繁に支援が必要な家族は15件に限るよう勧めています。オレゴン州では家族支援ワーカーの平均のケースロードを25件に制限して、訪問の頻度が高いケースが15件、隔週または一ヶ月に一度の訪問でよいケースが10件を目指しているそうです。

重大原則第10:訪問スタッフの選択は、その人の持つ個人的特性、文化的に多様な地域で働いた経験、この仕事に必要な技術と能力を基に行うこと。この中で一番大切なのは個人的特性である。
HFAは一定の学歴や職種よりも、利用者の家族と良い人間関係が作れる特性を重要視しています。オレゴン州での家族支援ワーカーの雇用には、自分の基準で人を裁かず、感情移入が出来、常識と分別があり、独創性・創造力があり、独立して行動が出来る人材を選ぶとしているので、社会福祉士、保育士、教師などの背景を持ったワーカーが多く、スーパーヴァイザーには看護師や保健師などの有資格者が多いそうです。

重大原則第11:危険度の高い家族の支援をするため、訪問スタッフは児童精神保健、児童の肉体的・精神的・社会性の発達、児童虐待対処、親業教育などに関する教育と経験が必要である。また家庭訪問スタッフは就職直後に集中研修で家族の危険度を評価するアセスメントの使用法と、家族の強み(長所)に焦点を置く訪問の方法を学ぶこと。また各事業団体内で継続した研修をスタッフに提供しなければならない。
HFAは家族支援ワーカー全員が持っていなければならない知識を定めていて、各プログラムの代表者の「トレーナーのトレーニング」を行い、修了証書を出しています。オレゴン州では新しく地域に雇われた家庭訪問ワーカーを州の首都に集めて州のトレーナーによる6日間に渡る講義と実習を交えた研修を行っています。このため教育や職歴などが異なっていても、訪問スタッフとして一貫した知識と技術を身につけることができます。

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