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治療共同体の基本的前提
 そして、スタッフだけでなくスチューデントも含むAMITY全体で目指される姿勢を示すものとして、「治療共同体の基本的前提」というものがある。
これまでの自己中心的な考えや他人を避け自分の殻に閉じこもってしまう考え方から、グループの一員として考え行動し、自分についても語ることができることを目指す。
最初は自ら主体的に行動していくことは難しく「退屈だ、関係無い」と感じることが多い。そんな時こそ自分が傍観者になっていることを自覚し、自ら主体的に行動しグループに参加していくことを目指す。
時には他人を避けたり責めたり、他人を排除する行動をとってしまうことがある。そんな時に先入観を持たずに相手を受け入れるようになれば、自分で自分を責め排除してしまっている部分が受け入れられるようになる。
肩書きや名声といった与えられる権威ではなく、人間性やライフストーリーといった人間的なレベルで獲得する個人的な権威を目指していく。このような個人的な権威が尊重される環境を整えていく。
共同体における仕事と役割の意味と重要性を認識し、それを実行することによる達成や成長を目指す。そして、与えられる作業としての仕事をこなすだけでなく、責任と誇りとしての役割を果たしていくことを目指す。
不健康な血縁関係に執着しすぎることで、より多くの困難を生じることがある。血縁関係だけに執着するのではなく、新たなコミュニティの中で健康的な人間関係を持つことができるという選択肢をもつことを目指す。人生、学校、職場、遊びの場で新しい関係をもつことができる。
援助者はしばしば援助者にとってやりやすいものを選択しようとしてしまう傾向があるが、常に参加者たちにとって何が必要かを重視していくことを目指す。そして参加者たちにとって身体的、感情的、心理的な安全な場をもたらすことを目指す。
援助者はしばしば当事者に対して直接的な援助をしようとするが、援助者はオーケストラの指揮者のような存在であることを目指す。常に、援助者は当事者同士の役割や人間関係を見守り、育み、その力が発揮できる場を提供していくことを目指す。
当事者の症状ばかりへ着目し治療的なかかわりを目指すのではなく、何を学び成長していくのかに着目し教育的なかかわりを目指す。
言うことを聞かせることや従わせることは創造性もなく簡単なことだが、大切なのは自らの姿勢をもって示すこと。その人が従うのかどうかを重視するのではなく、自分がどのように振舞えるかを重視することを目指す。
人はそれぞれ異なったペースで変化していくという認識をもち、通り一遍の機械的な対応ではなく、個人的な変化に合わせた有機的な対応を目指す。
機能していない部分としての症状に着目するのではなく、人の全体というものを受け入れ、良い部分や機能している部分に着目することを目指す。
当事者が周囲からの援助に依存している場合は、周囲が何でも世話をやいて、本人は「利用してやるか」というような態度をとってしまう。当事者が主体性をもって生活していくことを目指す。
自分の感情に支配され振り回される時は、自分の本当の感情を隠し、自分が欲しい物を手に入れるために人を操作したりしてしまう。このような感情に支配される状態から、自分の感情をありのまま受け止め、表現する力であるエモーショナル・リテラシーを目指すことで、自分の感情を体験し、自分の行為に対して反省の念を感じ、行動を変化させていくことができる。

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