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第六回目のテーマは「生きていくための術」
教育ジャーナリストの青木 悦さんとの対話。
   

教育ジャーナリストの青木 悦さんとの対話
- 第5回 -

  
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青木悦さんは、教育ジャーナリストとして、執筆活動、講演活動に大変忙しくしています。ご自身が過酷な子ども時代を体験しています。その生きた体験がベースとなって、常に子ども目線で人々にとても大切なことを伝えています。青木さんは、権力的な大人目線の“しつけ”ではなく、大人は先に生きている者として、子どもに生きていくための術(すべ)を教えるという視点に立つことが必要だと言います。33年間、教育の現場で取材を積み重ね、安心できる家族とは?いじめの背景にあるものとは?と、教育の問題点について、ぶれることなく子どもの立場に立って伝え続けています。
青木さんの生き方そのものが、生きていくための術を教えてくれます。
血のつながりを超えた新しい家族関係を
箱 崎 : 青木さんは講演会が終わっても、講演を聞いた方々が青木さんのところに寄ってきて、質問したり、自分の体験の話をしていますね。
青 木: ええ。もう大変です。質問が終わった後、今度はサインになって、サイン会が相談会になって、その後、帰り道に待ち伏せされて、駅までずっと話を聴いて(笑)。
本当に、そのとき「こんな話、私、初めてします」っていうふうに言う人が多いんですよ。だから、それだけそのチャンスを逃さないで今しゃべっちゃおうっていう感じのようで。そういう気持ちをよく分かるので、できる限りは聴くんですけれどもね。結構このごろ体力かないもんだから(笑)。もう、すごいんだもん、みんな。
箱 崎 : 話は止まらないですよね。あふれ出てしまって。
青 木: 私の講演を聞かれた方々は、「私は案外すごく恵まれた中で育ってきたと思っていた。ところが、子どもができて、子どもとの軋轢の中で、あっ、もしかしたら私、違っていたかもしれない」って気づき始めて・・・。そんな時に私の話を聞いてしまって。そうすると、自分との対話がそこから始まっちゃうんですよね。でも、そんなの1回や2回で結論が出るわけじゃないし。
箱 崎 : ええ、そうですよね。
青 木: だから、やっぱり、本当に道遠しっていう感じですね、この仕事をしていると。やっぱり大切なことは、繰り返し繰り返し言っていかないとね。お母さんになる人は次々と増えるわけだから。この仕事を始めてもう33年目なんですよ。もうある程度いいのかなと一時期思ったことがあったんですけれど、とんでもない思い違いでした。なかなか終われるもんじゃないと。
箱 崎 : そうですね、家族の問題、親子関係の問題は、よけいひどくなって、状況は悪くなっていますよね。
青 木: ほんと、そうです。大変です。

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