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第三回目のテーマは、「ドメスティック・バイオレンス」DVコンサルタントで、DVサバイバーの中島幸子さん
との対話です。(前半P1〜P8)→(後半P9〜P15
   
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- 前 半 -
 DVの被害者支援をしているグループ『レジリエンス』の代表で、DVコンサルタントの中島幸子さんに、DV(ドメスティック・バイオレンス=親密な関係性の中で起こる暴力)について語っていただきました。
 中島さんは、小学生の頃から家族と共に海外で暮らし、アメリカの大学に通っているときに、恋人によるDVによって、心と体が深く傷つく体験をしました。
現在は日本に戻り、被害体験を講演で語り、DVの真実について全国各地で伝えています。
4年半に及んだDV体験
箱 崎 : 中島さんが代表を務めている『レジリエンス』の言葉には、回復力や復元力、弾力という意味がありますね。
中 島 : はい。どのような逆境に置かれても、耐え抜く力、そこから脱する力、新しくエネルギーを発揮する力、マイナスのものをプラスに変えてゆく力をイメージして、グループ名を『レジリエンス』と名付けました。
私たちは、DVのサバイバーの方々を本来持つ力で自ら輝いていくものと思い、「☆(ほし)さん」と呼んでいます。また、DVの加害者のことは、バタラー(暴力を振るう人)を「Bさん」と呼んでいます。
箱 崎 : 中島さんは、講演でご自分のDVの被害体験を語られていますね。中島さんのことを初めて知る方もいると思うので、ご自身のDVの被害体験についてお話しいただけますか?
中 島: はい。私は、20歳から24、5歳までの4年半ぐらいの間に、結婚していなくて、子どもがいなくて、一緒に暮らしていなかった相手との関係性の中で、暴力を受けて逃げられないと思い、DVを受けた経験が過去にあります。
 DVは身体的暴力だけではなくて、精神的な罵倒とか、無視することなど、人によってさまざまな暴力を受けます。私の場合は、身体的暴力が非常に多かったです。
箱 崎 : 具体的にはどのような暴力を受けたのですか?
中 島 : 殴られたり、髪の毛を引っ張られて、コンクリートの壁に打ちつけられたり、放置されることは頻繁にありました。
箱 崎 : 相手が暴力的な人だということを最初はわからなかったのですか?
中 島 : 最初の1週間はわかりませんでした。すごくやさしくていい人に見えました。突然、殴られたときから身体的暴力が増えていきました。
箱 崎 : 突然殴られたら驚くし恐いと思って、逃げるということは考えなかったのですか?
中 島 : 一番最初はびっくりして、固まってしまったけれど、相手が急に泣いて、謝り始めたから、きっとふいなことなんだと思いました。でも数日後にまた殴られたとき、この人はこういう人なんだと思って抵抗しました。でも抵抗したがために、かえって暴力がもっとひどくなりました。そのため恐怖感が植えつけられてしまって、この人の言うことに従わなくてはいけないと思うようになりました。

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